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機動戦士ガンダム 作品紹介



『機動戦士ガンダム』(きどうせんしガンダム、MOBILE SUIT GUNDAM)は、日本サンライズ(現・サンライズ)制作の日本のロボットアニメ。テレビシリーズアニメとして1979年から名古屋テレビほかで放映された。「ガンダムシリーズ」の第1作である。
 
あらすじ
スペースコロニーへの宇宙移民が始まって半世紀あまりが過ぎた宇宙世紀0079年。地球から最も遠いコロニー群サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦からの独立を求め、独立戦争を挑んできた。連邦軍の圧倒的な戦力に対して、ジオン軍は人型機動兵器「モビルスーツ(MS)」を実戦投入し、戦争は膠着状態に陥る。
サイド7に住む少年アムロ・レイは、コロニーに侵入したジオン軍MSザクの攻撃に巻き込まれ、偶然が重なって連邦軍の開発したMSガンダムのパイロットになってしまう。ガンダムの母艦であるホワイトベースは正規乗組員のほとんどを失い、アムロをはじめこれに避難した少年少女たちは、生き残った乗組員達と協力しながらサイド7を脱出する。しかし宇宙には、「赤い彗星」と呼ばれるジオン軍のエースパイロット、シャア・アズナブルが待ち構えていた。
本作は、宇宙や地球の激戦地帯を転戦しながら、さまざまな人々との出会いや戦い、そして別れを経て悩み傷つきながらも成長していく、アムロたち少年少女の姿を描いた物語である。
 
作品解説
『無敵超人ザンボット3』、『無敵鋼人ダイターン3』に続く日本サンライズのオリジナル作品第3作(ロボット第1期3部作の3作目)として、富野喜幸(現・富野由悠季)を監督に据え、玩具メーカーのクローバーをメインスポンサーとして企画・制作された。対象年齢を従来より引き上げた、ロボットものとしては最初のジュブナイルアニメである。
ロボットアクション以上に、主人公の社会的成長が物語の主軸に据えられている。また、戦争を舞台としたリアリティに富んだ人間ドラマと、ロボットを「モビルスーツ」と呼ばれる兵器の一種として扱う設定を導入したことで、1980年代初頭から半ばにかけての、後に“リアルロボットもの”と称されることになる一連のロボットアニメ変革の先駆けとなった。
それらの要素が放映当時の10歳代半ば以上の視聴者を中心に人気を博し、本放送終了後の1981年から1982年にかけて劇場版3部作の制作に結びついた。1980年代を代表する作品であり、1970年代の『宇宙戦艦ヤマト』 、1990年代の『新世紀エヴァンゲリオン』と並び、後々のアニメへ影響を与えた作品である。
なお、本作は後に続々と制作されていく「ガンダムシリーズ」と呼ばれる一連の作品群の第1作であることから、ファーストガンダムの異名で呼ばれることも多い

作品の特徴
リアル志向
本作以前の1970年代当時は『宇宙戦艦ヤマト』、『ルパン三世』、『長浜ロマンロボシリーズ』といったティーンエイジャー層をターゲットにしたアニメ作品の盛り上がりによりアニメ視聴者層の対象年齢が広がりつつある時期ではあったが、ロボットアニメというジャンルだけはスポンサーである玩具メーカーが販売する関連商品の購買層が小学生以下に限られていたため、いわゆる「お子様向け」の内容を脱することができずにいた。ところが本作では『ザンボット3』と『ダイターン3』の好調な販売成績を受け、スポンサーからの干渉が少なかったため、敵も味方も同じ人間どうしの「戦争」という、より現実感のある状況を描き出すことが可能となった。リアリズム溢れる作風は作画監督・キャラクターデザインの安彦良和の発言によると富野が絵コンテとして参加した高畑勲監督作品「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」の影響が大きいと富野監督との対談で語っており富野本人も「高畑、宮崎から受けた影響は大きい」と語っている。
 
現実感のある兵器
また、前述のとおり登場するロボットを「モビルスーツ」と呼んで、現実の兵器に近い描写を行ったのも本作の重要な試みの一つである。従来、主役ロボットには変形や合体など玩具として魅力的なガジェットを備えることがスポンサーである玩具メーカーから求められており、本作の主役MS ガンダムも試作品という設定を付して同様のガジェットを組み込まれた。ところが本作ではさらに、敵であるジオン軍MSに設定上「量産機」という概念を与え、ロボット描写のミリタリズムを高めた。ミノフスキー粒子という架空の粒子も設定され、レーダーや電波誘導兵器を攪乱・無効化することでMS同士の白兵戦に説得力を持たせた。
 
奥行きのある登場人物
主人公のアムロは、突然に戦争に巻き込まれ、モビルスーツのパイロットとして戦う使命を負うこととなり、閉鎖的な極限状態に置かれるうち次第に疲弊する中で、上官にプライドを傷つけられて戦場から逃亡するが、そこで出会った敵将に勝ちたいという感情から戦線復帰する…という、それまでのアニメにない重厚でリアルな心理描写が、当時のアニメファンに受け入れられた。
主人公はもちろん、彼をサポートする人々や敵対する兵士、全体のプロットには直接触れない人物にいたるまで、その人物像がていねいに描かれた。また必ずしも主人公サイドの連邦軍が一枚岩でない様子や、シャア・アズナブルの復讐劇の要素も交えて奥行きのあるドラマを展開。従来作品に比して作品世界が豊かになっている。
 
ニュータイプの概念
本作の重要なキーワードの一つが「人類の革新『ニュータイプ』」である。超能力にも似た特別な感覚を得た人々として設定されたニュータイプは、当初は主人公アムロに超人的活躍をさせるためのアイデアだったが、やがて宿敵シャアもまたニュータイプであることが明かされ、そして同じくニュータイプである少女 ララァ・スンとの出会いと3人の間で起こる悲劇を通じて、「人類の革新」とは何なのかという抽象的なテーマへと昇華された。
結果、本作はロボットアニメという枠組を破綻させることなく、スペースファンタジーと哲学を盛り込み、現実味を持たせた物語や設定によって高年齢層の視聴に堪えうる作品作りが可能であることを示すこととなった。
 
企画の経緯
本作の企画の根底には『宇宙戦艦ヤマト』のヒットがあった。サンライズの山浦栄二は当時、『ヤマト』の制作会社であるオフィス・アカデミーからデータを入手、『ヤマト』の関連事業は一部の熱狂的なファンを相手にした商売であることがわかり、「ハイターゲットに絞って、30万から40万の熱狂的なファンをつかめば、それで十分に商売になる」という結論を得た。そこで本作は『ヤマト』と同じく中学生以上を取り込むことになった。
作品構成も『ヤマト』が意識されたが、そのままでは活劇的な展開になりにくい事とキャラクターの年齢が高いことが問題になり、『十五少年漂流記』から着想を得て、宇宙船に乗り込んだ少年少女が宇宙戦争の中で協力しながら生き延び成長するというストーリーが構想された。この時点では主人公たちは宇宙空母ペガサスに乗り宇宙戦闘機で異星人と戦うという設定だった。
このように当初の企画「フリーダムファイター」ではロボットを登場させる予定がなかったが、クローバーの小松志千郎社長からロボットを出すよう要求があった。困ったスタッフに、SF作家でスタジオぬえの一員でもある高千穂遥がロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』を紹介した。これに掲載されている、宮武一貴による装甲強化服『パワードスーツ』の挿画を元に大河原邦男が「突撃攻撃型機動歩兵」をデザインした。これは『宇宙の戦士』と同じく全高2.5m程度のものだったが子供に受けないとされ、当時主流だった50mから100mの巨大ロボットとパワードスーツのぎりぎりの妥協点として『マジンガーZ』と同じ18mに設定された。実際の戦争にならい、長距離戦、中距離戦、白兵戦と距離別にタイプが違う三つのロボットが構想された(それぞれ後のガンタンク、ガンキャノン、ガンダムである)。ロボットの名称について、パワードスーツのままでは訴えられる懸念があったので「モビルスーツ」にした。当初は宇宙ステーションをロボットの活躍の舞台とする予定だったが、18mでは宇宙ステーションに入らない。スタッフは神田の三省堂で買った宇宙関係の本の中でジェラルド・オニールのスペースコロニーを見つけた。直径数kmのコロニーなら18mのロボットが入るため、本作に取り入れることにした。
この時点での仮題は「ガンボーイ」だった。これが当時人気を博したアメリカ映画『コンボイ』から「ガンボイ」に、さらにチャールズ・ブロンソンがテレビCMで流行語にした「う~ん、マンダム」から「フリーダム」のダムとかけて「ガンダム」という名前が生み出された。富野によると「ンのはいった四文字のタイトルの作品は当たる。」というジンクスがあるという。
 
初回放映時の評価と後の社会現象
初回放送時の視聴率は名古屋地区で平均9.1%、関東地区で5.3%と振るわなかった。
視聴率低迷のため、スポンサーの要望により量産型の他に、いわゆる「やられメカ」を毎回出すことになった。試作機が投入されたという設定で グフやドムなどの新MSやモビルアーマーが登場したが視聴率は好転しなかった。
視聴率低迷は関連商品の不振につながった。スポンサーから「シャアという陰気なキャラクターがいけない」と指摘され作中でシャアを左遷したが、「何でシャアが出ないのだ」という抗議の手紙が殺到した。こうした手紙は中高生のファンからであり、サンライズ側の当初の狙い通り、本作には中学生以上のファンがついていた(ちなみに名古屋テレビの関岡渉によると左遷どころか殺す予定だったそうである。関岡がスタッフを説得して取りやめになったとのこと)。
その後もテコ入れが試みられたが(後述)、視聴率も売り上げも挽回できず全52話の予定が全43話に短縮される形の打ち切りとなった。
ところが打ち切りが決まった直後から人気が上昇。最終回でアムロは死ぬ予定だったが関岡が人気の盛り上がりから再放送や続編制作が期待できるため反対して取りやめになった。また、放送当時からアニメ雑誌がたびたび熱意ある特集記事を組むなど、中高生、特に女子を中心に口コミで徐々に評判が高まった。本放送終了後もアニメファンによる再放送要請嘆願署名が行われるなど熱意は衰えず、これらを受けてクローバーは再放送を決定した。こうして再放送、再々放送が重ねられ、世間一般へ本作が浸透していった。再放送では平均視聴率も10%を超え、1982年における再放送では名古屋地区で25.7%(最高視聴率29.1%)を記録した。
放映終了半年後にバンダイから発売されたMSのプラモデルが爆発的な売れ行きを見せ、『ガンプラ』と呼ばれた(後述)。後の劇場版公開もあわせ、社会現象ともいえるブームを巻き起こした。その後も本作と世界観や設定、歴史などを踏襲、あるいは共有する小説や漫画が数多く制作された、メディアミックスの先駆けともいえる作品である。
一方で、作中におけるMSの描写やニュータイプの存在に対して高千穂遙がSF作家としてSF考証の観点から批評する意見を述べ「ガンダムSF論争」を巻き起こした。
 
劇場版三部作と「アニメ新世紀宣言」
1980年10月、テレビシリーズの再編集に新作カットを加えストーリー、設定を一部変更した劇場版の制作が発表された。第1話から第13話までを再編集した第一作の題名は『機動戦士ガンダム』とされ、1981年3月14日全国松竹系にて公開された。題名に数詞が付かなかったのは、第一作の興行成績次第では第二作が製作されない可能性もあったからである。
これに先立つ1981年2月22日、新宿にて「アニメ新世紀宣言」と呼ばれるイベントが開催され、1万5千人ともいわれる数多くの若者が詰めかけた。中にはシャアとララァなど登場人物の(今で言う)コスプレをして現れた者達もいた。彼らを前に富野は、これだけの若者がアニメ映画のイベントのために集まったことを通じて、アニメを低俗、俗悪と決めつける社会の認識を問う発言をしている。
第一作の成功を受けて、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』(第16 - 31話前半を再編集、1981年7月11日公開)が公開された。第二作では、テレビ版と第一作の録音監督である松浦典良が降板した。「松浦さんが降りるなら、僕たちも降りる」と古谷徹、鈴置洋孝、井上瑤、鵜飼るみ子と主だった声優陣が反対したが、サンライズは拒否。声優陣が松浦の自宅をたずねたときに、松浦が説得して騒動は収束した。この騒動の余波でガンダムの声優陣の待遇が改善されたという。
続けて『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編』(第31話後半 - 第43話を再編集、1982年3月13日公開)が公開され、1982年公開のアニメ映画で配給収入第1位の12億9000万円のヒットを記録した。また、これらの映画の主題歌がオリコンチャートの上位にランキングされるなど、大きな社会現象にまで発展した。
 
アニメ史上の評価と後続作品への影響
本作のヒットは新たなアニメブームをもたらし、これに影響されたアニメも玉石混淆で無数に製作されることになる。特にロボットアニメは本作同様に、登場人物や世界観の描写に力を注ぐことで高年齢層も意識した作品作りがなされるようになり、数多くの作品を生み出した。
「アニメ新世紀宣言」に集まるなどしてガンダムブームを支えた視聴者達の中からは、数多くのクリエイターが生まれている。シャアとララァのコスプレをした二人も、後にメカニックデザイナー 永野護と声優川村万梨阿として続編『機動戦士Ζガンダム』の制作に参加している。
また等身大のロボットを描いた最初のテレビアニメ『鉄腕アトム』がロボット研究者の大きな目標になったように、MSもロボット研究者にとって大きな目標の1つとなっている。
2010年に第4回声優アワードシナジー賞を受賞した。
 
商業的事情
サンライズは前述のように本作を中学生以上向けに作っていたが、スポンサーが集まらない懸念があったため創通エージェンシーはスポンサーには低年齢向けと説明していた。こうして各社とも前2作『無敵超人ザンボット3』、『無敵鋼人ダイターン3』と同じく小学生以下向けの商品を展開したためミスマッチが起き、せっかくの中高生ファンを取り込むことができず関連商品は不振に陥った。そこでクローバーの要請により1979年9月に Gアーマーが登場し、同月にはGアーマーとガンダムをセットにした「ガンダムDX合体セット」が発売されたが、売上増には結び付かなかった。
関岡の証言では、局の立場としては打ち切り対象にする程ではなかったが、玩具業界のサイクルでは年末年始の次は3月の春休みに需要が見込めるため、2月に新番組を投入すればちょうどその時期に玩具が売れて経営危機を乗り切れるのではないかと判断され、乗り換え需要を喚起するために1月一杯で打ち切りとなったようである。サンライズの飯塚正夫は「オモチャが売れるクリスマスとお正月のお年玉のある1月まではなんとか放送してもらえることになった」と述べている。ところが年末商戦で「DX合体セット」が好調な売行きを示した。クローバーは慌てて延長をサンライズに打診したものの実現しなかった。
前述のように本放映時に関連商品を展開した会社は軒並み失敗したが、アニメ雑誌『アニメック』を発行し、アニメショップ『アニメック』を経営していたラポートだけはアニメファンの盛り上がりをいち早くつかんでいた。同社はアニメファン向けの商品を本放映時既に展開し、ファンを盛り上げていった。
一方玩具の不振を補うべく、サンライズはクローバーにプラモデルの商品化を打診していたが、「売れないキャラクターの商品を増やしてもしょうがない」とクローバーに拒否された。そこでサンライズはクローバーの了解を得て他社にプラモの商品化を呼びかけた。ところが本作のもう一つの版権元であり版権窓口でもある創通エージェンシーはクローバーの玩具販売に悪影響が出ることを懸念し、アオシマにプラモ化を打診させた。しかし、打ち切りが決まっているため次回作で模型化を行うこととなり、ガンダムのプラモ化は断られた。そのような中でも創通は『宇宙戦艦ヤマト』の模型を販売していたバンダイ模型を拒んでいた。長い交渉の末、1979年の暮れに創通が折れて、バンダイ模型は商品化権を取得した。こうして放映終了半年後に発売されたMSのプラモデルが爆発的な売れ行きを見せ、ガンダム人気を広げる一助となった。ガンプラは大変な人気を得たことで「モビルスーツバリエーション」と呼ばれる派生シリーズを産み、それらにおける種々の設定はアニメ雑誌において生み出された設定と合わせてガンダムの世界観をより深く掘り下げるものとなった。1982年にはプラモデル市場は過去最高の市場規模になった。
こうした経緯のため「ガンダムブームはラポートが火をつけ、バンダイが築いた」と評されている。劇場版公開の頃になると各社とも本作のファン層に合わせた商品展開をしていたが、ファンの低年齢化によってアニメファン向け以外の商品も売れるようになっていった。
前述した後続作品群は、商業上はどれも本作を越えられなかった。このためガンダムシリーズは多少のブランクを挟みながら今日まで続くことになった。本作以来のファンを維持しつつ、新しい設定のガンダムが若いファンを獲得して親子二世代に亘って人気があるシリーズとなっている。またガンプラや各種トイも今なお初代ガンダムやザクの新型アイテムが発売されるなど根強い人気を保っている。
 
スタッフ
企画:日本サンライズ
原作:矢立肇、富野喜幸(現・富野由悠季)
音楽:渡辺岳夫、松山祐士
キャラクターデザイン:安彦良和
メカニカルデザイン:大河原邦男
美術設定:中村光毅
アニメーションディレクター(作画監督):安彦良和
総監督:富野喜幸(現・富野由悠季)
プロデューサー:関岡渉(名古屋テレビ)、大熊信行(創通エージェンシー)、渋江靖夫(日本サンライズ)
原画:スタジオZ(金田伊功、鍋島修、亀垣一、平山智、飯島正勝、越智一裕他、※個人名ノンクレジット)、板野一郎、駅間我子 ※ノンクレジット、多賀かずひろ他
音響監督:松浦典良
音響効果:松田昭彦(イシダサウンドプロ)
音楽:渡辺岳夫、松山祐士
設定制作:円井正
アシスタントプロデューサー:神田豊
制作:名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ
 
主題歌
オープニングテーマ『翔べ! ガンダム』
作詞:井荻麟 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:池田鴻、フィーリング・フリー、ミュージッククリエイション(キングレコード)
エンディングテーマ『永遠にアムロ』
作詞:井荻麟 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:池田鴻、フィーリング・フリー (キングレコード)
劇場版I 主題歌『砂の十字架』
作詞・作曲:谷村新司 編曲:青木望 唄:やしきたかじん
劇場版II 主題歌『哀戦士』 『風にひとりで』
作詞:井荻麟 作曲・編曲・唄:井上大輔
劇場版III 主題歌『めぐりあい』 『ビギニング』
作詞:井荻麟、売野雅勇 編曲:鷺巣詩郎 作曲・唄:井上大輔
 
挿入歌
『シャアが来る』
作詞:井荻麟 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:堀光一路
『きらめきのララァ』
作詞:井荻麟 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:戸田恵子
『いまはおやすみ』
作詞:井荻麟 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:戸田恵子
 


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ニュータイプ



ニュータイプ (Newtype) は、アニメ「ガンダムシリーズ」に登場する架空の概念。
 
概要
新しい人類とされる人達を指すが、もともとの概念が曖昧だった事に加え、作品が進むにつれて言葉の意味する事象が広がりすぎたため、はっきりとした定義は困難である。物語中では、ニュータイプとされる人々は特異な能力を持った人物として描かれる事が多い。ニュータイプに対する従来の人類はオールドタイプ (Oldtype) と呼ばれ、やや軽蔑の意味合いを込めて使われるケースも多い。
 
原作者のニュータイプ概念の変遷と意図 
重要な設定であるはずの「ニュータイプ」の概念が一定しないのは、富野由悠季がガンダムシリーズの第一作『機動戦士ガンダム』の制作途中でニュータイプの概念を入れたことを、最初は「俺は物凄いことを思いついた」と歓喜していたものの、後に疎ましく思っていたためである(なお、アムロ・レイが超能力者であるという構想は最初から持っていた。メモ書き中に「エスパァかもしれぬ」の記述があり、それはマチルダ・アジャンの台詞からも垣間見える)。特に、ファンの間で「ニュータイプ」という言葉が一人歩きしてしまったことや、高千穂遙の評論の中でガンダムがSFではない決定的な理由として挙げられたことなどを快く思っていなかったといわれる。『機動戦士ガンダム』以後の富野の作中(特に小説)では、ニュータイプ概念の肯定と否定が同時に行われているような奇妙な様相を見せている。
 
失敗という烙印
富野はNHKの番組『トップランナー』に出演した際、「『ニュータイプ』は失敗だった」と明言した。しかし、NTVの『爆笑問題のススメ』にゲスト出演した際、「ニュータイプ」という概念が主題に置かれ、「ニュータイプとは何か?」「どうしたらなれるのか?」という問いに、彼なりの解釈(先入観や自分の尺度・概念で人や物事を見ない云々)を用いて答えている。
 
原作者が新たに見出したニュータイプの結論
富野は今まで結論の出せなかったニュータイプというテーマに対し、2005年・2006年に発表された劇場版『機動戦士Ζガンダム』(新訳Ζ)において「真のニュータイプとは、今までのニュータイプ論で描いた精神的な共感に加えて肉体的な体感を持ち、それらを隣の人を大事にするために活かすことができる人である」という隣人愛の結論を描き、新訳Ζのカミーユ・ビダンこそ究極的なニュータイプと発言している。
 
備考
キャラクターデザイナーの安彦良和はニュータイプのことを「ジェネレーションの別の謂い」だと発言している。おでこに一瞬のパルスが走り、瞬時に敵を倒すエスパー的な描写は、SF作家光瀬龍が指摘するように「古過ぎる」ものであると認識し、ラストシーンで総てのキャラクターが意識の交感をするくだりをもって、若い世代は総てニュータイプの萌芽を胸に秘め、「百年戦争」のような暗澹たる未来へ終止符を打つ者たち、と定義している。ただしこれは「今はもうそれぞれのガンダム」と言い切った安彦の私観である。
 
宇宙世紀におけるニュータイプ
ニュータイプの劇中での描写
宇宙世紀を世界観とする作品におけるニュータイプとは、ジオン・ズム・ダイクンとその思想ジオニズムによって出現が予言された、宇宙に適応進化した新人類の概念である。ダイクンの死後勃発した一年戦争の最中、アムロ・レイやララァ・スンらによって現実の存在となった。しかしその能力が戦時下で発現した結果、ダイクンが考えた「お互いに判りあい、理解しあい、戦争や争いから開放される新しい人類の姿」とは縁遠い、人殺しの道具として能力が用いられる結果となってしまった。
ニュータイプは、一般に認識能力の拡大により人並み外れた直感力と洞察力を身につけ、並外れた動物的直感と空間認識能力を持ち、独特のサイコウェーブ(脳波)を発する。また、離れていても他者やその状況を正確に認識し、意思疎通をする能力を発揮し、後に開発されたサイコミュと呼ばれる脳波と兵器を連動させる機器を扱う能力を有している。このため敵を視認することなく「気配」で探知し、さらにその機動を先読みして攻撃、一方では敵の攻撃を察知して回避するなど、戦闘において圧倒的な力を発揮している。
能力発現には心身に強いストレスを受けることを必要としているようで、アムロの場合は危機的状況と重圧が長く続いたことや親しい者との別れや死が契機となっている(発現前には両親と生き別れており、ラル、リュウ、ハモンと立て続けに大切な存在を亡くしている)。シャアの覚醒もララァ・スンを失ったことによるものだった。人工的に生み出された強化人間も記憶操作で強いストレスを与えられている。(フォウ・ムラサメは本名や記憶を奪われており、ロザミア・バダムはコロニー落としで兄と生き別れたという偽の記憶を植え付けられた)また、地球圏を遠く離れて暮らす宇宙居留者にはシャリア・ブル、パプテマス・シロッコ(共に木星帰り)、ハマーン・カーン(小惑星アクシズ育ち)といった高い能力を持つ者が生まれている。
 
ダイクンはニュータイプを宇宙生活者であるスペースノイドの進化形としていたが、実際にはアースノイドの中からも多く出現している(ララァはシャアに見出されるまで地球を離れた事は無く、アムロとカミーユも地球で生まれ幼少期を過ごしている。逆にシャアとセイラは宇宙生まれの、地球育ちである)。つまり、素質自体は誰にでも少なからずあるが、高い能力を発現する者はごく限られているということになる。
『機動戦士Ζガンダム』では、ニュータイプとしての力が特に高い者の身体(もしくは本人が搭乗しているモビルスーツ)からオーラが迸るような描写がなされた(キャラクターの性格や状態によって描写が違い、怒りに燃えるカミーユ・ビダンの赤いオーラや、キュベレイの背後に悪鬼のように浮かび上がるハマーン・カーンの影などがあった)。
その他、一部のパイロットにおいてもビーム兵器の過剰出力や、攻撃を無効化するバリアの展開、そのプレッシャーによって相手MS(パイロット)を一時的に行動不能に追い込む等の現象が見られている。ただし、これらはあくまでパイロット(戦士)としての戦闘能力であり、ニュータイプの持つ能力の一面的な発現に過ぎない。本来のニュータイプ能力とは相互理解のための力であり、前述の通り洞察力、認識力の拡大による精神的な共感、そして肉体的な体感によって隣人を大切にすることの出来る人間である。カツ・コバヤシなど、パイロットとしての能力が低くともニュータイプの資質を持つ者もいる。また一方、ジュドー・アーシタやシャア・アズナブルの様にパイロットとしての戦闘能力が高く、なお且つサイコミュを備えた機能を扱えても、ニュータイプとしての資質自体にはやや乏しい者も存在する。よって、パイロットとして超常的な戦闘能力を示すことが、必ずしもニュータイプとして高い能力を持つことを証明する訳ではない。最もニュータイプ能力が高いと言われるカミーユにおいては、その共感能力の拡大によって死者の思念を集め自分の精神に同化させ、その力で超常的な現象を引き起こしている。ジュドー・アーシタもまた死者の思念を集め、超常的な現象を起こし、アムロもサイコフレームの共鳴現象で敵味方なく協力を取り付け、アクシズの地球落下を防いだ。
一年戦争当時、ジオン公国軍では通常では考えられないような能力を発揮したパイロットをニュータイプととらえ、彼らに対応した兵器の開発がなされた。その結果、ニュータイプ専用機と呼ばれる新しいタイプの兵器が完成した。また、戦後はそれらの技術が連邦側に接収され、それを元に強化人間等の研究・開発も行われている。
 
ニュータイプの概念の本質
ニュータイプの概念の本質は宇宙空間で生活するようになった人類が、それに対応するために進化していったものであるとされている。元々はジオン・ズム・ダイクンが提唱した概念の一つであり、宇宙という広大な生活圏を手に入れた人類は洞察力、認識能力が拡大し、肉体的、精神的にあらゆる物事を理解することができ、それが全人類に広がった時にかつてなしえなかった相互理解が可能となる、という主旨であった。
 
超能力者との違い
アニメ映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』内にて、レビル将軍は、軍の公式見解ではなく私見と断ったうえで「直感力と洞察力に優れた人間と考えている」と述べた。また、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』では、「ニュータイプ≠超能力者」であると述べている。彼によれば「ニュータイプ=戦争を必要としない人間」なのだという。
 
サイキッカーの登場
『機動戦士Vガンダム』では、もはやニュータイプという存在は歴史上の伝説となりつつあった。また、この時代には「サイキッカー」という概念が存在している。このサイキッカーとニュータイプが同一の概念で時代の変遷による呼称の変化なのか、まったく別の進化形なのか、ニュータイプの発展形なのか詳しい説明はない。各種ゲームなどではニュータイプと同じ扱いであることが多い。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』にもサイキッカーが登場する。
 
ニュータイプの概念変化
ジオン・ダイクンが提唱したのを皮切りに、シャア・アズナブルやアムロ・レイなどが世にニュータイプという存在を知らしめた時代から数十年を経た『機動戦士ガンダムF91』の時代では、ニュータイプという概念そのものが薄れていた。
ニュータイプとは『パイロット適性の高い人間』や『モビルスーツに関するエキスパート』という程度の捕らえ方が一般的になっており、優秀なニュータイプであるシーブック本人がそのように考えていた。ただし、ザビーネ・シャルはニュータイプのことを「あるがままを見ただけで、そのものの本質を洞察できる存在」と語り、本来の意味付けに近いニュータイプの概念を受け継いでいる人々も、少数派ながら存在するようである。
さらに原作者の富野由悠季が著述した作品のうち、『機動戦士ガンダムF91』から更に80年あまり経った、宇宙世紀では最も遠い未来を描いた『ガイア・ギア』においては、ニュータイプの存在は非常に希少であり、ましてやその能力を発揮するパイロットはほとんどいなかった。ニュータイプ専用機も開発されていたが、それも通常はオールドタイプによりサイコミュを切られ運用されていた。ただし技術の進歩によって、サイコミュシステムそのものはパイロットがオールドタイプであろうと使用可能である。ファンネルなどのニュータイプ用兵器の使用はもちろん、サイコミュシステム起動時は使用者にニュータイプ的な超感覚が備わるほどの性能を発揮する。ラジオドラマ版では、オールドタイプのサイコミュ使用は肉体・精神的な障害を引き起こす危険があるとされ、それがサイコミュシステム封印の根拠になっている。原作小説では「オールドタイプのパイロットにとってサイコミュが危険だったのは、技術が未発達だった過去の話」とされ、劇中ではオールドタイプのパイロットが何の問題もなくサイコミュを使う場面がある。このような背景があるため「ガイア・ギア」には強化人間が登場しない。ただしニュータイプがサイコミュを使用した方が、オールドタイプが使用する場合に比べ格段に効果は高い。
 
ニュータイプと強化人間
ニュータイプの超常的な能力を実感した軍は、軍事利用を目的として後天的にニュータイプと同様の能力を持つ兵士を生み出そうと試みた。その所産が強化人間(人工ニュータイプ)である。彼らは、非人道的な肉体改造や投薬、精神調整の結果生み出されたもので、精神的に不安定になったり、本来の人格を壊され異常に攻撃性が強くなったり、偏狭的になったりしている。これとは別に、元々のニュータイプとしての能力を人工的にさらに高める技術も生み出されていた。
ニュータイプと強化人間の間に能力的違いはなく、両者に共鳴は起こる。実体験により段階的に能力を覚醒させるニュータイプと異なり、改造強化で能力を引き出された強化人間は大きな成長が見込めないという点が異なる(むしろ、成長してしまうと扱う側に不都合を生じる)。
 
アフターウォーにおけるニュータイプ
アフターウォー(『機動新世紀ガンダムX』)を世界観とする作品におけるニュータイプは、「人類の新たなる革新」と明確に定義され、主に専用のシステム(フラッシュシステム等)を作動させることができ、戦況の流れを一変させることができる人達にその呼び名を使用していた。
この作品では、精神的なショックなどのために「能力を失ったニュータイプ」が登場する。また、第7次宇宙戦争でその全てが命を落とすか、再起不能になったため、この世界で人為的によるものではない生まれながらのニュータイプは極めて稀で、作中で登場したのはティファ・アディールとアベル・バウアーのみ(共にフラッシュ・システム適合者)である。また、ニュータイプ能力を持つ者は人間に限定されないようで、それと思しき能力を持つ白いイルカが登場した。しかしティファは、アベルが覚醒したときに感じたプレッシャーから、アベルは自分やルチル・リリアントとは違うと感じていた。
アフターウォーでは、宇宙世紀シリーズ以上にニュータイプは「戦争の道具」と見なされており、地球連邦(旧連邦)・宇宙革命軍共にニュータイプ専用機を投入したのみならず、ニュータイプを新兵器の生体部品として利用する研究も行われていた。先の大戦で双方とも壊滅した後もなお、この傾向は変わらず、新連邦は戦争兵器としてニュータイプを求めていた。更には、宇宙革命軍では思想統制及び選民思想の道具としてまでニュータイプを利用している。
これに対して、旧連邦のニュータイプ兵士として世界崩壊の引き金を引いてしまったジャミル・ニートは、ニュータイプは新しい時代を切り開くための存在であるべきだと考え、彼らを保護する活動を始め、後に宇宙革命軍の兵士でジャミルのライバルでもあったランスローも、ジャミルの行動や考えに共感を示すようになった。
物語の最終局面で三者はそれぞれ、この世界のファーストニュータイプと呼ばれる存在と接触すべく月面の「D.O.M.E.」という施設を目指し、そこでファーストニュータイプと呼ばれた存在を内包したD.O.M.E.の意思から「ニュータイプという概念は人間が作り出したもので、幻想に過ぎない。ニュータイプと呼ばれる者たちは異能者ではあるが、異能力と人類の革新とは別である」というメッセージを受け取る。
異能者であるにも関わらず、専用のシステムを起動させられなかったがゆえにニュータイプと似て異なる「カテゴリーF」なるレッテルを貼られたフロスト兄弟は、その屈辱から両軍首脳を抹殺し、自分達を否定した世界を滅ぼそうとする。
en:After War Era technology#Newtypes
 
カテゴリーF
カテゴリーF( - エフ、Category F)は、ニュータイプの素質がある人間を探していた段階で発見された分類の一つ。ESP的な能力を持ち、一時はニュータイプと持ち上げられたが、フラッシュシステムに対応していないという理由でニュータイプの枠から外され、隅に追いやられる存在となった。
作中ではフロスト兄弟の2人がカテゴリーFに分類された人間として登場し、彼らは、物理的距離に関係なく兄弟同士の間だけテレパシーによる意思疎通・感覚共有をする特殊能力を持っていた(ツインズシンクロニシティ)。また、彼らは自分達がカテゴリーFに分類されている事を恨み続けていた。またエスタルドでニュータイプ候補とされその試験を兼ねた戦闘に投入された士官達は全員撃墜、殺傷された後の報告で「カテゴリーF」と判定を受けている。
なお、「F」とはフェイク(fake=紛い物)の頭文字を取っている。
ゲーム作品では「カテゴリーF」という能力クラスとして表現される場合が多いが、原義ではあくまで「フラッシュシステム非対応の特殊能力保持ないしは兆候のある者」であり、能力そのものの呼称ではない。
en:After War Era technology#Newtypes: Category F
 
正暦におけるニュータイプ
正暦(『∀ガンダム』)を世界観とする作品では、過去のニュータイプはみな外宇宙に出て行ってしまい、太陽系圏内にはもはや存在しないという設定である。
福井晴敏によるノベライズ版∀ガンダムでは、ロラン・セアック、ソシエ・ハイム及びヤーニ・オビュスがニュータイプであることを想像させる描写がある。
 
その他の作品との関連
『新機動戦記ガンダムW』では、カトル・ラバーバ・ウィナーが「宇宙の心を感じ取る」という特異的な感性を持っており、ウイングガンダムの自爆行為に衝撃を受けた者達の意思を感じ取ったり、ウイングガンダムゼロで暴走を起こしたヒイロ・ユイの精神に、自らの意思を直接訴える等、さながらニュータイプのような奇跡を起こしている。
『機動戦士ガンダムSEED』では「人類が一つ上のステージに進むための可能性」として「SEED」が登場している他、「物事、近未来、お互いの存在などを直感的に先読みする力」といったものが存在する。遺伝子操作をされていない普通の人間(劇中の言葉でナチュラル)のごく一部(ムウ・ラ・フラガ、ラウ・ル・クルーゼなど)が所有する特殊能力として分類されている。前述のムウとラウは、お互いの存在や意識を感覚として読み取ることができ、戦闘中にも互いの居場所や戦術を幾度も感じ取っていた。ラウは、物語終盤でドラグーン・システムを多用してキラ・ヤマトを苦しめ、ムウも、覚醒したキラ以上の反射能力を見せてラウの攻撃を回避し、驚異的な能力を発揮した。
『機動戦士ガンダム00』では、「来るべき外宇宙での異種との対話」のために人類が進化した存在をイノベイターと呼ぶ。彼らは状況把握能力、空間認識能力、脳量子波(いわゆるテレパシー)による意識の共有など、これまでのニュータイプと似た能力の他、細胞の変化による肉体の強化、通常の人間の倍の寿命を持つ。イノベイターは高純度のGN粒子を浴び続けることで、通常の人間が変革し発生する。アニメ作中では、主人公の刹那・F・セイエイ1人のみだが、劇場版では世界各地でイノベイターに成り得る一般市民が何名か登場している。劇場版のエピローグでは、人類の4割がイノベイターへ覚醒し、その一部が外宇宙へ向けて出発をしている。
作中にはイノベイターを模して造られた人工生命体のイノベイドが登場する。真のイノベイターが現れる以前に計画の補助と人類のサポートのために量子コンピュータの『ヴェーダ』によって造られた生体情報端末で、遺伝子操作によって並外れた身体能力と、ナノマシンによるテロメア修復機能による不老の肉体を持っており、その点ではイノベイターを凌駕している。同じくGN粒子を触媒にした脳量子波による感応能力や圧倒的反射能力を持つが、イノベイターの強い脳量子波を受けると精神を掻き乱され混乱する。
『機動戦士ガンダムAGE』では、脳で使われない領域「X領域」を活性化できる存在をXラウンダーと呼ぶ。


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ガンプラについてその1


ガンプラは、アニメ作品の『機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」において、主に劇中に登場したモビルスーツやモビルアーマー等と呼ばれるロボットや艦船を立体化したプラモデルのことで、「ガンダムのプラモデル」の略称。組み立て式プラモデルではないハイコンプロシリーズが「完成済みガンプラ」として宣伝されるなど、厳密な区別はされていない。
ガンプラの製造・発売元は、作品制作元のサンライズの親会社になったバンダイのホビー事業部で、「ガンプラ」という言葉自体は、ガンダムシリーズの版権管理を手がける創通の登録商標になっている。
 
ガンプラブーム
1980年7月発売の「1/144(144分の1)ガンダム」を初めとして、『機動戦士ガンダム』の放映後に発売された「ガンプラ」は、最初は同時期の子供向けロボットプラモデルの中では特に目立つ商品では無かったが、モデラーがミリタリーモデル(実在の兵器のモデル)の発想で改造を施した作例が、模型雑誌「ホビージャパン」別冊の「How to build Gundam」に発表されると小中学生を中心にブームが起こった。さらに1981年に創刊された「コミックボンボン」はガンプラを前面に押し出した誌面構成を行ない、ガンプラとは無関係な「てれびくん」も、一時期ガンプラを掲載していた時期があった。
ガンプラは日本のプラモデル史上最大のヒットでバンダイを模型業界のトップに押し上げた。
当初は他の作品も含めてシリーズ化されていた「ベストメカコレクション」の一環として発売されたガンプラは、1/144スケールで1個300円程度からと、男児向け玩具としては超合金シリーズ等と比べて低価格で、一時は模型店で品切れを起こす店が続出した。このため当時の新聞に「機動戦士ガンダム、販売に機動力なし」と書かれた。
1982年1月24日には、千葉県のダイエー新松戸店でガンプラを購入しようと開店と同時にエスカレーターに殺到した小中学生250人による将棋倒し事故が起こるなど、社会問題にもなった。(ガンプラ将棋倒し事故)
この事故は品不足が原因とされ、メーカーにも責任があるという風潮が高まり、かねてより疑惑があった「生産調整」の批判がさらに激しくなった。イメージ低下をおそれたバンダイは事故後、ガンプラの生産ラインを確保するためにスケールモデルの生産を中止した。これはスケールモデルとガンプラの抱き合わせ販売が行われているという疑惑に対応したものでもあった。
市場の需要に対して供給が間に合わず、中小の小売店でガンプラの慢性的な品切れ状態が続き、この品切れ状態がニュースに取り上げられガンプラを求める子供達の購買欲をさらに刺激する事になる。「故意に品薄状態にしてるのではないか」と怒りの声が出るが、需要は既に工場が受発注できる遥か限界を超えていて、製造ラインを増やそうにもコストやリスク面、資金の調達や人員の確保等の問題もあり早急な対応は物理的に不可能な状態であり、子供達がガンプラを求めて狂奔する最中、工場ではパートの女性が自分の身の丈はあろうかという荷物を力技で梱包していた。バンダイはこの騒ぎを沈静化するため対応に追われ、梱包されたガンプラが工場からトラックで全国に配送する様子をテレビや新聞に公開して品薄騒ぎも徐々に収まることとなる。
ガンプラ以前の、ミリタリーなどを専門に作っていたプロモデラー達も戦々恐々とこの事態を見守っており、ガンプラの制作依頼がきた時は「ついにガンダムもここまできたか」と天を仰いで観念したモデラーもいたという。
ガンプラの品薄状態に便乗して、名前やパッケージを似せた商品(「ザ★アニメージ」「モビルフォース ガンガル」等)やガンプラに対抗したシリーズ(「アニメスケールシリーズ」「伝説巨神イデオンシリーズ」「魔境伝説アクロバンチシリーズ」「超時空要塞マクロスシリーズ」等)も出回った。このブームに合わせてバンダイも次々と『機動戦士ガンダム』に登場した兵器等をキット化し、ほぼ全てを商品化した後は、アッグシリーズのように本編未登場の兵器もキット化されて『モビルスーツバリエーション (MSV)』 の展開へと繋がった。これらの一部は、後に製作された『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ガンダムΖΖ』に追登場した他、ガンダム以外のサンライズ作品(『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』、『銀河漂流バイファム』、『重戦機エルガイム』)等のメカや兵器もキット化された。
ブーム後も販売は継続され、その人気の根強さはバンダイに「男の子のサンリオ的な商品としてガンダムを育てあげたい」という方針を取らせた。
その後も後続の作品群・ガンダムシリーズの展開に合わせて数多くのキットが発売され、旧作のキットもモデルチェンジと再生産が行われている。1990年代中頃よりMG、HGUCといった高級モデルも展開された。模型店、玩具店以外にも家電量販店など販売場所も増え、ガンプラの出荷数は国内外の累計で4億個を突破している(2010年3月時点)。
原油高騰で従来に比べて価格は上昇傾向にあり、2008年2月27日には、検討中という形で、MGとHGUCの定価を5月頃から現在よりも10~20%ほど引き上げるとバンダイが公表していた。これは全商品を一気に上げるのではなく、再発売時にそのモデルから値上げという形を取るものとしているが、2012年5月現在で値上げは行われていない。ガンダム00シリーズに関しては、最初からその価格上昇分を見越した価格設定だとされている。バンダイ広報部は「新たなパーツやブックレットを付けるなど、付加価値のある商品仕様に変更して、価格を改定する」としている。2008年9月に再版の「SDガンダムちーびー戦士」シリーズは、全商品が初版よりも100~200円上乗せされた価格で販売された。
 
ガンプラの種類
通常プラモデルはプラスチック用接着剤でパーツを接着し、塗料で塗装して組み立てるが、ガンプラは1988年以降、接着や塗装をしないで組み立てても、設定色に彩られた完成イメージになるよう設計されている。接着剤を用いずに組み立てられる「スナップフィット」や、色分け済みパーツ「いろプラ」などの採用で、プラモデルの組み立てに慣れていないユーザーや若年層への浸透を図り、古くからのファンにはMG等の高価格帯の製品を用意する販売戦略をとっている。高価格帯モデルにもスナップフィットは採用されており、接着剤や塗料などを利用してより高度な仕上げを行うことも可能。逆襲のシャア以降のシリーズでは、関節の一部にビスを使って固定する方式が採用された。塗装用として、各キットごとに必要な調色を施した「ガンダムカラー」や、低年齢層向けのペン型「ガンダムマーカー」といった塗料がGSIクレオスより発売されている。
ガンプラの主な縮尺は3つで、設定上の頭頂高が18.0mのガンダムの場合、以下のように換算される。
1/144……約12.5cm
1/100……約18cm
1/60……約30cm
このうち、最初に登場した1/144の縮尺は、第1弾のガンダムがパッケージに合わせて計算したら偶然にも国際スケールと合致していたため採用されたもの。『機動戦士ガンダム』当時のアニメモデルは、パッケージの大きさに合わせてスケールが前後し統一されていなかったが、スケールの統一はガンプラのヒットの要因の一つとなった。またこれらのサイズの分類にはその後それぞれ、HGUC、MG、PGシリーズという高価格バージョンも商品化されることとなった。
架空の存在であるモビルスーツには実物が存在しないため、縮尺またはシリーズごとに部分ごとのデザインの解釈が異なるケースがある。多くの種類のキットが発売されているRX-78-2 ガンダムの場合、通常発売されているキットだけでも

旧キット(1/144、1/100、1/60、1/72メカニックモデル)
MSV(ガンダムフルアーマータイプとパーフェクトガンダムの増加装甲を未装着にしたもの)
HG(絶版)
MG(Ver1.0、Ver1.5、Ver.Ka、パーフェクトガンダムの素体、Ver.ONE YEAR WAR 0079、Ver2.0)
PG
FG
HGUC
HG Ver.G30th
メガサイズモデル
RG

といった種類があり、MG以降のモデルはそれぞれ細部のデザインが異なっている。もともとアニメの作画において、アニメーターはモビルスーツの関節をまるでゴムで出来た部品が柔軟に変形するようにデフォルメして描いていた。そのため、モデラーが名シーンのジオラマを作る際には、プラ板やパテなどを用いて関節部をアニメの描写に合わせて改造しポーズの固定を行う。しかしプラモデルを動かして遊ぶ上でそうもいかない場合もあり、まして3DCGを用いたゲームソフトにモビルスーツが登場するようになると、ポリゴンモデル化したモビルスーツが「金属で出来た機械として」自然に動くようにしなければならない。こういった事情によって、RX-78-2 ガンダムなど初期の作品に登場したモビルスーツのデザインには、一体型だった腰パーツが6つに分割される等、大幅なアレンジが施されるようになっている。MGアッガイのように、イラストの中だけであったいわゆる「体育座り」を実現させるために、立った状態を一見しただけではわからない様々な仕掛けを関節部に隠しているものもある。
 

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